狸小路祭り
今日は、ずっと気になっていた「狸小路の祭り」に参加してきた。札幌の夏といえばビアガーデンや花火もあるけれど、この狸小路商店街の祭りは、なんとも言えない“地元の熱気”と“レトロな賑わい”が混ざっていて、とても魅力的だった。 商店街のアーケードの下に、提灯がずらりと吊るされ、浴衣姿の人たちが行き交う。人の波に押されながらも、ふとすれ違った屋台から漂ってくる焼きとうもろこしの香ばしい匂いに立ち止まってしまう。あれはもう反則だ。買わないわけがない。ひと口かじった瞬間、口の中いっぱいに北海道の夏が広がった。 ステージでは地元の子どもたちの太鼓演奏や、学生のダンスチームのパフォーマンスが行われていて、観客の拍手がアーケードに反響していた。ああ、こういう「場所の音」って、記憶に残るんだなと思った。昔どこかで聞いたような、でも新しい音。 そして何より印象に残ったのは、狸小路のマスコットキャラクターたちが練り歩く「狸行列」。思わず写真を撮ってしまった。ゆるキャラなのに、妙にリアルでちょっと怖くて、でも憎めない顔。 夜になると、通りがライトアップされ、昼間よりも幻想的に変わっていた。生演奏のジャズバンドが登場したとき、周囲の空気が一瞬だけ都会から“物語の中”に変わった気がした。まるで狸たちがこっそり人間のふりをして楽しんでいるような、そんな空気。 観光客もたくさんいたけれど、不思議と混雑を苦に感じなかった。多分、誰もが“ちょっとした魔法”にかかっていたんだと思う。 日常からほんの少し離れて、狸たちの世界に迷い込んだような一日だった。帰り道の風が少し涼しくて、夏を感じながらアイスを食べた。