35℃の密室で、統計に殺されるとは思わなかった
◆北海道のエアコン保有率(統計データ)
総務省「住宅・土地統計調査」や家電業界の調査などから、北海道のエアコン普及率は全国で最も低く、以下のような傾向があります:
◆北海道のエアコン保有率:
・2023年時点:約40〜45%(世帯あたり)
・2000年代初頭は10%未満。近年ようやく増加中。
◆全国平均:
・2023年時点:約90%以上(東京都や大阪府では95〜98%)
◆猛暑日数の変化(札幌)
・2000年以前:真夏日(30℃以上)は年数日、◆猛暑日(35℃以上)はほぼゼロ
・近年:30℃超えが年20日を超えることも、35℃超えも数回出現
つまり、気候は変わったのに、建築・設備はまだ追いついてない。北海道民の多くが「断熱地獄」に取り残されているのが現実。
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2025年7月24日(木)
札幌は35.3℃を記録した。
道内のニュースでは、「今年一番の猛暑」と言われているが、私は知っている。これはもう気象変動の予告編ではなく、本編だ。
でも…うちにはエアコンがない。
そしてそれは「私が怠慢だったから」ではない。
それは、統計がそうだったから。
北海道のエアコン普及率、2023年でも45%。つまり、半分以上の家庭がまだ持っていない。
かつては、「北海道にエアコンなんて不要」というのが常識だった。夏は数日だけ暑くなり、扇風機と窓の開放で足りた。断熱材は厚く、隙間風を防ぎ、冬を乗り越える。
しかし今、35℃の熱がこの高気密空間に閉じ込められている。
外に出られず、熱も出ていかない。
外気温35℃。
室内温度34.7℃。
統計的に見て、死にかけてる。
東京でエアコンがないというと「え?何それ?」という顔をされるが、北海道ではそれが「割と普通」だった。自分が統計の中の数値だったことを、今さら思い知らされる。
しかもこの状況は、年々悪化している。
猛暑日が増え、気候が変わり、
それでも住宅政策や設計思想が更新されないまま、
「冷やすことが想定されていない家」が今日も煮えている。
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結論:北海道の家は、温暖化に対して「過去の平均」しか見ていない。だが私は、「今この瞬間の偏差値35℃」のなかで、生き延びなければならない。