夜の回游
仕事終わりの夜、ふと思い立って散歩がしたくなり、電車に乗った。
最近は忙しさが続いていて、移動中は爆睡しては目を覚まし、また眠る、を繰り返している。寝起きと寝しなの機嫌の悪さには自覚がある。かつて、人の腕を噛んだことがあるほどには一級品だ。
普段は耐えて、我慢して、なるべく大人しく振る舞っている。そのせいか、限界を超えて振り切れた瞬間、私は地雷になる。一度火がつくと、もう誰にも止められない。ただし、不思議なことに、良い方向へ転んだときは、どこまでも良くなれる。
この一週間は、気圧の変化と地震のフラッシュバックにやられて、体調が思わしくなかった。
だから意識的に、食事、睡眠、清潔、そしてほんのわずかな運動。生きるための基本だけを、黙々と繰り返した。
地震があった夜は、さすがに現実的な行動に出た。
山賊のようなリュックを引っ張り出し、冷蔵庫の薬品庫からオキシドール、三角巾、ホカロン、カットバン、充電器、着替え、災害用ライト、バランス栄養食、水分、衛生用品。思いつく限りを詰め込んだ。
結果、
「あかん。背負えない。重い(笑)」
備えは大事だが、体力には限界がある。
そこで、Yahooショッピングの最大23%還元のタイミングを狙い、安いキャリーバッグを購入した。生き延びる準備は、気合だけではどうにもならない。
無理なく動ける形に整えることもまた、大人のサバイバルなのだと思う。