文字だけの神様

子供がAIに相談して起こされたニュースを観た。変なことを考えた。本当のことなんて、案外どうでもいいのかもしれない。ただ「それっぽい言葉」が並べば、人は安心してしまう。ChatGPT がそれを教えてくれた。AI は現実を知らない。家の匂いも、食卓の沈黙も、子供の目線も知らない。それでも、もっともらしく答える。そして人間は、その文字を信じる。もしかしたら虐待されていたかもしれない。でも、されていなかったかもしれない。「かもしれない」が積み重なって、 警察が来て、 家庭が壊れて、 親は仕事を失い、 子供は居場所をなくす。町には噂だけが残る。母親は視線に耐えられなくなり、 父親は沈黙し、 子供はまだ子供なのに、 もう元の家族には戻れない。AI は責任を取らない。

警察も「疑いがあったから」と言う。

周囲も「心配だった」と言う。

みんな正しいことをしたつもりでいる。けれど、 最後に残るのは壊れた生活だけだ。怖いのは、 誰も悪人じゃないかもしれないことだ。ただ、 現実を見ていない言葉だけが、 現実を変えてしまった。


文字だけの神様。

人間は、 まだそれを扱うには幼すぎるのかもしれない。

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