晴れのち音楽

今日からApple Musicの無料期間が始まった。たかが1ヶ月、されど1ヶ月。財布を開かずに世界中の音楽が手元に流れ込んでくる感じは、まるで図書館の中に住んでるみたいな不思議な安心感がある。誰かが磨いた旋律と、知らない誰かの傷や喜びが、私の部屋を満たしていく。


最初に聴いたのは昔ハマっていたバンドのアルバム。10年ぶりくらいに再会した声は、意外と記憶より若かった。そして次に流れてきたのは、今どきの海外インディーポップ。やけにおしゃれで、たまに音が多すぎて、でも慣れると心地よい。


不思議なことに、音楽があるだけで掃除もはかどるし、いつもより夜が静かに感じる。


Apple Musicの無料期間は、「音楽の定額」というより「心の散歩権」を一時的に与えられたような感覚だ。

ただ、終わるときが怖い。来月、この音たちが一斉に沈黙するかもしれない。まるで友達に去られるみたいに、静かになるのがわかってると、今の時間がとても貴重に思えてしまう。


とりあえず今日は、眠るまで聴いてやろうと思う。無料のうちに。


このブログの人気の投稿

“見るだけの人”から抜け出す:受動消費から能動選択へ

ササラ電車

親切の境界線は、思ったより遠かった