朝の運動
霧雨がやさしく差し込むころ、運動に出る。心身の損傷部分はまだ痛いが、今日も誰よりもはやく一日を始めている。
町内の皆さんが集まる公園へ向かう道すがら、花々の香りにふと足が止まる。立ち止まったまま空を見上げた。
どうやら今朝は鳥の声が低い場所で鳴いている。昨夜の雨や雷は過ぎたけれども、低気圧がまだ張り詰めている様子。
公園に着くと、ご近所の犬たちはしっぽを振ってご挨拶。私たち人間も、「おはようございます」と笑顔を交わす。
体操が始まると、犬たちにお土産の餌を与える近隣の男性の足元にちょこんと座り、首をかしげながら動きを見上げていた。まるで一緒に体操をしているようで、思わず笑ってしまう。
終わったあと、犬たちは嬉しそうにしっぽを左右にふりながら、ご近所の人々の優しい人々の手のぬくもりを味わっていた。
帰り道、人々の歩みはゆっくりだった。
「お疲れ様です。」「おはようございます。」と軽やかになった心身でご挨拶を交わしながら帰路に着く。
多分、楽しい朝の余韻をまだまとっていたのだろう。
私も同じ。心がふわりとあたたかくて、今日一日を丁寧に生きたくなる、そんな朝だった。