護りの日



朝、目覚めた瞬間から体調の違和感に気づいた。

頭が鈍く重く、喉にかすかな痛み、皮膚の軋み。明確な症状というよりも、「何かがズレている」という感覚が、体のあちこちに微かに点在している。こういうとき、無理をすれば確実に悪化する。よって、今日は"守りの一日"にすることに決めた。

まず、心身の状態を最優先に観察する。深呼吸。窓を開けて、新鮮な空気を吸い込む。曇り空でも、外の空気は部屋の空気よりもずっと新しい気がする。それだけで少し気持ちが軽くなる。水分を摂取し、温かい食事をできる範囲でとる。空腹は免疫の回復を妨げるし、何より脳がまともに働かない。

次に、今日のやるべきことを再構成する。以下の通り、優先度と実施可能性を見極めた

1. 仕事の再調整

 進行中のタスクのうち、緊急性のあるもののみを処理。残りは明日以降へ繰り越す。関係者には簡潔に連絡し、現状の説明を共有する。これは自分のためであると同時に、相手への誠意でもある。

2. 思考の空白時間を確保

 判断力が落ちている時ほど、情報過多を避けるべきだ。ニュースやSNSを制限し、脳に余白を与える。代わりに、短いエッセイや詩の一篇を読み、思考を静かに保つ。質の高い静寂は、薬にも勝る。

3. 休息を「選ぶ」

 ただ横になるのではなく、「回復のために意識的に休む」という姿勢を持つ。昼寝を取るなら15〜20分程度。眠りすぎは逆効果になる。眠ること自体もまた、一つの戦略だと心得る。

4. 夜の締め方を整える

 日が暮れたら、あとは回復を第一に。強い照明を避け、画面から離れ、思考を鎮める時間をつくる。入浴と読書で一日を緩やかに締めくくるつもりだ。

今日という一日は、おそらく成果よりも「減らすこと」「休むこと」「保つこと」に意味がある。

前に進むばかりが賢さではない。立ち止まり、整えることもまた、意志ある行動である。


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